温暖化問題

GLOBAL WARMING

地球温暖化の影響

世界の地球温暖化の影響

国連のIPCC第5次評価報告書による今世紀末の地球の平均気温上昇が約4.8℃上した場合の予測
地球温暖化 シロクマ
出典:Pixtabay著作権フリー画像

海面上昇

海水の熱膨張や南極やグリーンランドの氷河が融けて、今世紀末には海面が最大82センチ上昇します。海抜ゼロエリアが沈没し国土消滅する国もでてきます。

海面上昇の影響

2080年代までに海面水位が40cmしか上昇しなかった場合でも、海面上昇がない場合に比べて、毎年高潮により浸水を受ける人口が世界全体で7500万~2億人も増加します。また熱帯、亜熱帯の島嶼国は、標高の低い土地が多いのに加えて経済的に貧しい人々が多く、もっとも深刻な影響を受けやすいと考えられています。海面の上昇によって、沿岸侵食の拡大、土地や財産の損失、人々の移住、高潮のリスクの増大、沿岸の自然生態系の減衰、淡水資源への塩水(海水)の浸入が起こり、これらの変化に対処するため高いコストが生じるでしょう。また観光は多くの島にとって収入及び外貨獲得の重要な源ですが、異常気象の増加などや海面水位の上昇から深刻な観光資源の損失に見舞われます。
海面上昇 熱帯

生物の絶滅

珊瑚礁の壊滅的ダメージやアマゾン熱帯雨林の一部またはすべての生態系の崩壊が始まります。大多数の生態系は現在の状態を保てず多くの種が絶滅にひんする状況になります。
生物 絶滅

熱帯性の感染症発生範囲が拡大し健康被害増加

熱帯性の感染症の発生範囲が広がり健康被害が増加します。アジア地域では、蚊を媒介とするマラリアやデング熱の感染症拡大の恐れがあります。
熱帯 感染症

自然災害の拡大

降雨パターンが大きく変わり、内陸部では乾燥化が進み、熱帯地域では超大型台風、超大型ハリケーン、超大型サイクロンといった熱帯性の低気圧が猛威を振るい、洪水や高潮などの大規模な被害が多くなります。
自然災害 砂漠
自然災害 竜巻
自然災害 津波
自然災害 異常気象
自然災害 洪水

世界的な食糧危機

気候の変化に加えて、病害虫の増加で穀物生産が大幅に減少し世界的に深刻な食糧難を招く恐れがあります。
食糧危機 穀物

年間3000憶ドル(約35兆円)以上の損害

国連環境計画(UNEP)が2001年2月に発表した報告では、2050年に二酸化炭素の濃度が2倍になると、繰り返される異常気象や海面上昇による土地の喪失、漁業や農業への悪影響、水不足などで年間3000億ドル(約35兆円)以上の損害が発生すると予測しています。IPCC第3次評価報告書でも、壊滅的な異常気象による世界規模での経済的損失は、1950年代の年間39億USドルから1990年代の年間399億USドルへとすでに10.3倍も増大していると指摘しています。
自然災害 損害

温暖化影響のまとめ

日本の地球温暖化の影響

異常気象の増加

温暖化により海水温度の上昇などにより強い熱帯低気圧の発生が増加します。激しい風雨により沿岸地での被害増加や大雨による河川の氾濫など自然災害による被害が増加する恐れがあります。

温暖化 異常気象 増加

海面上昇と高潮の被害拡大

沿岸地では海面上昇に高潮が重なり被害拡大し海面上昇による海岸浸食や砂浜消失などが予測されています。
温暖化 海面上昇 高潮

<海面1m上昇の場合の都市部の水没リスク>

熱波による健康被害の増加

猛暑日や熱帯夜が大幅に増加すると予測されています。熱波の発生により熱中症患者が増加し健康被害や死亡者数も増加します。
温暖化 熱波 健康被害

デング熱や日本脳炎の増加の恐れ

デング熱は、主に熱帯地域や亜熱帯地域に生息する媒介蚊による感染が多く、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカの生息域が拡大していることが原因です。年間推計3憶9000人の感染し約50万人がデング出血熱を発症し1万人以上の方が亡くなっています。特にネッタイシマカは、沖縄に比較的近い台湾やシンガポールなどでも多く発生しています。ヒトスジシマカは栃木県、宮城県、山形県、秋田県、岩手県でも発見され今後は青森県(八戸など)に拡大予測がされています。また、日本脳炎を媒介するコガタアカイエカが、夏季の気温が高い年に活動が活発になることが知られています。ワクチン接種の効果により、現在の患者数は年間 10 人以下ですが、温暖化すると媒介蚊の生息域が拡大し感染者数も増加すると予測されています。
温暖化 デング熱 日本脳炎

ブナ林や針葉樹林の減少

ブナ林や亜高山帯、亜寒帯の針葉樹林の分布エリアが減少すると予測されています。
温暖化 ブナ林 針葉樹林 減少

海水温度上昇による珊瑚の絶滅

サンゴ礁は天然の防波堤として波をさえぎり、海岸を浸食から守ります。日本では日本海側では新潟県佐渡島、太平洋側では千葉県までサンゴの分布が確認されています。サンゴの白化は、環境ストレスと言われる海水温度上昇などにより褐虫藻の光合成系が損傷され、サンゴが褐虫藻を放出することにより起こります。海水温度の適正は25~28℃と言われて30℃を超える温度が長期間続くと白化が起こります。環境が回復すれば褐虫藻を再び獲得してサンゴは健全な状態に戻りますが、環境が回復せず白化が長く続くとサンゴは死んでしまいます。
海水温度上昇 珊瑚 絶滅

日本の影響まとめ

 

日本の平均気温の大幅上昇

日本の年平均気温は、100年あたり1.15℃の割合で上昇しています。また、世界の年平均気温は、100 年あたり 0.85℃の割合で上昇しています。日本の年平均気温は、世界の年平均気温の2倍近い上昇率になっています。

[補足]
基準値(0.0℃)は、1971~2000年の30年間の平均値。棒グラフは、国内17地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、長野、水戸、飯田、銚子、境、浜田、彦根、多度津、宮崎、名瀬、石垣島)での年平均気温の平年差(平年値との差)を平均したもの。太線(オレンジ)は、その年と前後2年を含めた5年間について平年差との平均をとった5年移動平均です。直線(赤)は平年差の長期的傾向を直線として表示したもの。

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