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2017年 年頭所感

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当協会は「住宅から排出されるCO2の削減」と「健康で快適な住環境の普及」とを活動理念とし、工務店支援を行っている。

協会は今年で創立20周年を迎える。設立した当時の1997年は京都会議の開催に向け、温暖化対策や温暖化による地球環境の悪化が大きく報道されていた。あれから20年。日本の温暖化対策はどのように進んだのだろうか?

私が属している家庭部門は少しだけ前進。しかし、ほんの少ししか前進していない印象だ。昨年末に開催されたCOP22のモロッコ会議では、またしても日本が化石賞※1を受賞。不名誉な受賞だ。

日本のCO2削減の現状

一方、日本は2030年までには家庭部門の温暖化ガス排出量を、40%程も削減をする目標を設定している。現実路線として、どうすればそのような数字の削減が可能なのか?ハッキリ言えることは、少しの方向転換では達成することはできず、大幅な方向転換が必要だということ。では、「どの方向に」「どのようなスピードで」転換するのか? また、その事を国民にどのように伝え理解してもらうのか?現実的な施策を明確にする必要があるが、国は表明していない。当協会は工務店支援を行っている小さな組織だが、小さな組織でも大きな声を出して、何度も訴えれば業界に一石を投じることができる。一見出来ないと思うことへのチャレンジでも、根気強く努力していきたい。

環境の厳しい地域から得られるノウハウが住宅性能向上を可能とする

2017年の目標は、「寒冷地と蒸暑地域の住宅での快適性と省エネ化の実現」とする。特に「給湯のエネルギー削減」にチャレンジをしたい。また沖縄に代表される蒸暑地域の住宅では、カビの被害を払拭し、エネルギー消費を増加させず、健康で快適な住環境を普及させたい。そこで得たノウハウは人口の大多数を占める温暖地にも活用し、寒冷地域で得られるノウハウは冬期対策に、蒸暑地域で得たノウハウを夏期対策へと生かすことで、当協会の活動理念である「CO2削減」と「健康と快適な住環境の普及」を図りたい。

いよいよZEHビルダー登録によるブランド化が始まる

また、2016年度はゼロエネルギー住宅(以降ZEH)元年。国は「ZEHビルダー登録」を促し、先進的な工務店は登録を行った。登録には2020年までに新築される戸建て住宅の50%以上をZEH化する条件が課される。2016年度はその目標設定のみであったが、2017年度は国に対してその達成率を報告し、国はこれを公表する。2017年1月現在は、目標値だけの公表なので何とでも表現ができる。しかし、達成率の公表が始まると、これは実効値なので、国が公表したZEH達成率の数値がユーザーに示されると、必然的に工務店の印象は、ZEH率の高いビルダーへの好感として捉えられることになってしまう。まさに、公的なお墨付きの工務店ブランドが、必然的に形成されることになる。ユーザー視点からすると、ZEHへの実質的な取り組みの度合いが、その工務店の理念、印象、将来性を想定し判断する基準となる。協会としては会員企業をZEH率の高い企業へと導きたいと思っている。

 

そんなことが実現可能になる一年になれば良い。小さな組織の当協会は、チャレンジの精神で活動をしていきたい。そして少しでも、少しずつでも、この国とこの国の住宅の変革そして温暖化対策に寄与したい。

P.V.ソーラーハウス協会 会長 南野一也

※1. 地球温暖化対策に前向きな取り組みを見せない国に対して、環境NGOがバッドジョークとして与える不名誉な賞。